バックテスト基礎
最大連敗数からロットを決める考え方
公開 2026.06.16最終確認 2026.06.16
EAのロットを「なんとなく0.1ロット」で決めていないだろうか。
バックテストの最大連敗数は、ロットを決める重要な手がかりになる。連敗が続いても口座が耐えられるロットを逆算する——これが資金管理の起点になる。
結論
ロットは「最大連敗数 × 1回あたりの損失額」が、口座資金の許容損失率を超えないよう逆算する。
1回あたりの許容損失額 = 口座資金 × 許容損失率 ÷ (最大連敗数 × 余裕係数)
ロットサイズ = 1回あたりの許容損失額 ÷ 1ロットあたりの損切り額
例:
- 口座資金: 100万円/許容損失率: 20%/最大連敗: 10回/余裕係数: 1.5倍/1ロットの損切り: 2,000円
- 1回の許容損失 = 100万 × 0.20 ÷ (10 × 1.5) ≈ 13,333円
- ロット = 13,333 ÷ 2,000 ≈ 6.6 → 6ロット以下に設定
なぜEA運用で重要か
EAは同じロジックを繰り返す機械なので、連敗は必ず起こる。問題はいつ起きるか分からないこと。バックテストで最大8連敗でも、実運用で12連敗する可能性はある。
ロットが大きすぎると、連敗で資金の大部分を失い、回復に必要な利益率が現実的でなくなる。資金が50%減ると、戻すには100%の利益が要る。
仕組み・条件
余裕係数を入れる理由
バックテストの最大連敗は「過去の最悪値」にすぎず、将来はこれを超えうる。1.5〜2.0倍を見込む理由:
- バックテスト期間に含まれない市場環境がある
- スリッページや約定遅延で損失が想定より大きくなる
- パラメータが相場の変化でフィットしなくなる時期がある
許容損失率の目安
| 許容損失率 | 意味 |
|---|---|
| 10% | 保守的。資金が90%以上残る |
| 20% | 標準的 |
| 30% | 攻撃的。回復に43%の利益が必要 |
| 50% | リスクが大きい。回復に100%の利益が必要 |
バックテストやリアル運用で壊れるポイント
- 余裕係数を入れず最大連敗をそのまま使う → 実運用で連敗が上回り資金が大きく削れる
- 資金が増えたのにロットを固定 → リスク比率が崩れる(資金が減った時も同様)
- 損切り幅がパラメータで変わるのにロット計算が追いつかない
- 複数EA同時稼働で、合計の最大DDを考慮していない
どう確認するか
- バックテストの最大連敗数を確認する("Maximal consecutive losses")
- 上記式でロットを逆算する
- 余裕係数は1.5〜2.0倍を基本に、運用期間が短いほど大きく取る
- 資金変動に応じてロットを調整するか固定するかを決める
- 複数EA稼働時は合計の最大DDが許容範囲か確認する
自分の検証スタンス
ロットは「最大連敗 × 1.5倍でも資金の20%以内に収まるか」で決める。感覚ではなく計算で決める。
「ロットを上げたい」衝動が出たら、それが計算に基づくのか感情に基づくのかを区別する。計算結果を超えるロットは使わない。
参照した公式情報
- 公式情報不要(資金管理の考え方に基づく解説)
免責
本記事は個人の検証メモであり、投資助言ではありません。資金管理の計算方法は一例であり、各自の資金状況・リスク許容度によって適切な設定は異なります。投資判断はご自身の責任で行ってください。