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スプレッドだけ見ていると、EAは静かに削られる

EA運用では、スプレッドの狭さだけで業者を選ぶと実運用で成績が落ちる。約定速度、スリッページ、リクオート——スプレッドの前に見るべき約定品質を検証者の視点から整理する。

「スプレッドが狭い業者にしよう」

EA運用を始める時、最初にそう考えた。

裁量の頃からスプレッドは気にしていた。0.1pipsでも狭いほうがいい。なんとなく、コストが低い=有利だと思っていた。

間違いではない。でも、足りない。

EAをリアル口座で動かしてみると、スプレッド以外のコストが静かに積み上がっていることに気づく。

スリッページ。約定速度のばらつき。リクオート。指標時の拡大。

スプレッドが0.1pips安くても、スリッページが毎回0.3pips不利に偏っていたら、実質コストは逆転する。

EAは同じ条件で何百回も注文を出す

裁量で月に10回トレードしているなら、約定が1回滑っても「まあいいか」で済む。

でもEAは月200回注文を出す。

1回あたり0.2pipsの不利な滑りが、月40pips分の見えないコストになる。年間480pips。

バックテストでギリギリPF 1.3だったEAが、この滑りで実運用ではPF 1.0を割る。

しかも、この劣化は一発でドカンと来ないから気づきにくい。毎月少しずつ、静かに削られる。

裁量では気にならなかった理由

裁量では「成行で入れた」と思えば、0.2pipsの滑りなんて気にしない。取引回数が少ないから、トータルへの影響が小さい。

でもEAは毎回同じ条件で注文を出すから、偏りが統計として見えてくる。

有利方向にも不利方向にも同じくらい滑るなら、まだいい。問題は、不利方向にだけ偏る場合。これは業者や口座タイプ、約定方式によって変わる。

デモと本番で約定品質が違う業者もある。デモで問題なかったから油断しやすいしていたら、リアルで別物だった——これは実際に聞く話。

自分が見ている約定の記録項目

EAの成績を本気で検証するなら、約定品質のログを残す必要がある。

10日分のデータがあれば、傾向は見える。

ここを見ずにスプレッドだけ比較しても、実運用の成績を予測できない。

バックテストでの確認ポイント

この記事のメモ

スプレッドは見える数字。だから比較しやすい。

でも約定品質は、動かしてログを取らないと見えない。見えないから後回しにしがち。

自分も最初はスプレッド比較だけで業者を選んでいた。EA検証を繰り返すうちに、「スプレッドは入口の数字でしかない」と思うようになった。

見えない数字ほど、EAの成績に効いてくる。

チェックリスト

FAQ

Q: 約定速度はどこで確認できますか?

MT5のジャーナルログに約定時刻が残る。ただし業者によっては粒度が粗い場合もあるので、自分でログを取る方法も検討する。VPSからのping値を定期記録するのも有効。

Q: スプレッドが広くても約定が良い業者のほうがEA向き?

一概には言えないが、取引回数が多く平均利益が小さいEAなら、スプレッド0.3pips広い代わりにスリッページがほぼゼロの方が有利になるケースは十分ある。

Q: スリッページは常に不利方向に偏るもの?

必ずしもそうではない。正常な約定環境では有利方向にも滑る。不利方向にだけ偏る傾向が統計的に見えるなら、その業者の約定品質を疑う根拠になる。

免責

本記事は個人の検証メモであり、投資助言ではありません。特定の業者を推奨・批判するものではなく、EA運用環境を検討する際の確認項目を整理したものです。